日本植物病理学会報
Online ISSN : 1882-0484
Print ISSN : 0031-9473
ISSN-L : 0031-9473
吹付接種の汁液伝染性ウイルス病防除薬剤の選抜試験への応用
[1] TMVの接種試験に関する研究
黄 耿堂松沢 安秀見里 朝正
著者情報
ジャーナル フリー

1973 年 39 巻 5 号 p. 404-409

詳細
抄録

自動散布装置を用いて,接種試験を行なった結果,タバコ幼苗(品種キサンチ)に対するTMV感染の最適条件は下記のとおりである。TMV濃度は罹病葉g当たり2,000mlの蒸溜水で稀釈した接種源を,ゲージ圧力(コンプレッサー)4kg/cm2,カーボランダム含量1%(w/v),散布距離20cm,接種時間0.5秒である。この様な条件下での完全感染に必要なTMV稀釈限界濃度は,8,000倍稀釈液である。これは1ml当たり紫外部吸収OD260値の約0.002に相当するウイルス粒子を有することになる。
同様な条件で,トマトにも適応できるが,供試植物の大小によって,僅かながら,発病率に影響が認められる。数種の薬剤を用いて,TMV感染阻止試験を行なった結果,タバコ幼苗については,従来の摩擦接種と同様の結果を示した。本法は摩擦接種に比して,データの再現がよく,作業の能率も高くなり,汁液伝染性ウイルス防除薬剤の選抜試験には最適と思われる。

著者関連情報
© 日本植物病理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top