抄録
北海道で発生したCorynespora cassiicolaよるダイズの根腐れ症状について記述した。病徴は主に胚軸および根部に現われ,赤褐色壊死から次第に拡大して地下部の組織全体をとりまき二次根の脱落を伴う根腐れ症状を呈する。このため地上部は黄化,萎ちょうを現し早期に落葉する。葉には病斑を現さない。本菌の培養性質および形態的特性からEllisの分類基準に従いCorynespora cassiicola (Berk. & Curt,) Weiと同定した。本菌は5~30Cの範囲で生育し適温は20~25Cであった。発病適温は15~20 Cにあり25および30Cでは病徴は軽かった。土壌水分含量が高い程病徴が激しく,乾燥状態では抑えられた。7科13種の植物に対する病原性を検討した結果,マメ科植物(ダイズ,インゲン,アズキ,ササゲ,アルファルファ)およびテンサイが感受性であった。菌は土壌中で少なくとも1年間生存した。