日本植物病理学会報
Online ISSN : 1882-0484
Print ISSN : 0031-9473
ISSN-L : 0031-9473
インゲン栽培土壌中におけるPythium spp.の耐久生存器官
景山 幸二宇井 格生
著者情報
ジャーナル フリー

1982 年 48 巻 3 号 p. 308-313

詳細
抄録
北海道立北見農業試験場のインゲン連作および6年輪作圃場に存在する7種のPythium属菌について越冬した耐久生存器官について検討した。P. acanthophoronは,分解が進み容易に崩壊する微小残渣中,あるいは土壌中に遊離した卵胞子が,P. paroecandrum, P. spinosumおよびPythium sp.は,同様な状態の遊走子のうおよび卵胞子が耐久生存していることが知られた。P. myriotylumの生存器官は,直接観察法では明らかでないが,分解の十分に進んでいない前年栽培されたインゲン地下部の残渣中に生存し,第1次伝染源となる。本圃場に存在する他の種すなわちP. irregulareおよびP. ultimumの生存器官は明らかでなかった。
著者関連情報
© 日本植物病理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top