1982 年 48 巻 5 号 p. 648-658
Zenith, Tetep, Tadukan, Ranta, Karuna, Co. 13およびこれら品種のF2のいもち病抵抗性を検定した。カーリフ雨期),ラビ(乾期)の両期,多窒素区とその約半量の少窒素区を設け材料苗を育成した。C1分離菌株およびそれよりやや病原力の劣るC3分離菌株を用い,噴霧接種を行った。Zenith, Tetep, Tadukanは両菌株に抵抗性であり,他の3品種は罹病性である。Zenithの抵抗性は2遺伝子に,Tetepのそれは1遺伝子に支配される。Tadukanでは,C1に対して2遺伝子,C3には3遺伝子が作用する。抵抗性品種間交配のF2には,栽培期,窒素施与量にかかわりなくC1罹病性個体が認められた。罹病性品種間交配のF2には,抵抗性個体があらわれなかった。窒素施与量,栽培期はイネの遺伝構造に影響を与えない。しかし多窒素区において,F2の罹病性個体が増加した。例えば抵抗性個体数:罹病性個体数の比が13:3が9:7に,57:7が54:10に変わる。