日本植物病理学会報
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タマネギ腐敗病を起こす2種の病原細菌,Erwinia rhapontici (Millard 1924) Burkholder 1948 およびPseudomonas marginalis pv. marginalis (Brown 1918) Stevens 1925
大内 昭大沢 高志西村 十郎
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1983 年 49 巻 5 号 p. 619-626

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抄録

タマネギの葉身に淡黄緑色∼淡褐色の斑点と条斑とを生じたのち,葉鞘,葉鞘基部および鱗茎を次第に腐敗させる細菌病の詳細を知るために,病原体の分離および同定を試みた。
被害個体24点から得た病原細菌31株のうち,20株は本邦未記載のErwinia rhapontici (Millard 1924) Burkholder 1948と同定され,残り11株はタマネギの病原として未知のPseudomonas marginalis pv. marginalis (Brown 1918) Stevens 1925と同定した。また,本実験の結果から,タマネギ春腐病の病原之して記載されたP. syringaeP. marginalisに訂正するのが妥当と考察した。E. rhaponticiおよびP. marginalis pv. marginalisによる病徴の差異はわずかであり,被害株の多くはこれらが重複感染しているので,両病原体によるタマネギの疾病を腐敗病と一括して呼称することを提案した。

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