日本植物病理学会報
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アスパラガスから分離されたasparagus virus II
藤澤 一郎後藤 忠則土崎 常男飯塚 典男
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1983 年 49 巻 5 号 p. 683-688

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抄録

北海道内の外観健全なアスパラガスから検出される球形ウイルスの諸性質について調べた。本ウイルスは汁液接種を行った12科43種の植物のうち,ナス科,マメ科,アカザ科,ヒユ科の多くの植物に感染し,純化ウイルスを接種したアスパラガスの若茎は,展開後まれにモザイクを生じた。本ウイルスはアスパラガス,タバコ,ヒャクニチソウ,ペチュニアで高率に種子伝染したが,アブラムシ伝染はしなかった。粗汁液中での不活化温度は55∼60C,希釈限界は10-3∼2×10-4,保存限界は2∼3日(20C)であった。
本ウイルスの純化標品中には直径26∼36nmの大きさの異なる4種類の球形粒子が観察された。純化ウイルスを用いて作製した抗血清の力価は1/1024(重層法)で,寒天ゲル内で本ウイルスの純化標品および感染葉粗汁液と容易に反応した。また本ウイルスはMink博士より分譲されたAVII-PおよびAVII-Sの各抗血清と明瞭に反応し,AVII-P抗血清と本抗血清との反応帯の間には分枝線を形成した。以上の諸結果から本ウイルスは既報のasparagus virus IIのS系統に近いウイルスと同定した。

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