1984 年 50 巻 3 号 p. 361-367
Cucumovirusに属するキュウリモザイクウイルス(CMV),ダイズ萎縮ウイルス(SSV),ラッカセイわい化ウイルス(PSV)およびキク微斑ウイルス(CMMV)の14分離株のウイルス粒子を,2.5%ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分析した。その結果,すべての分離株の粒子の殆どが1つのピークとして挙動し,CMV 5分離株ではそのピークの泳動度は一致したのに対し,SSVおよびPSVでは分離株によりピークの泳動度が明らかに異なるものがあった。またSSA, PSVおよびCMMVのピークの泳動度はCMVと明らかに異なっていた。ウイルス粒子の電気泳動による解析は操作が簡便でウイルスの種類や系統の同定に有用であるばかりでなく,その検出感度もかなり高く実用性の高い手法であると思われる。