日本植物病理学会報
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Puccinia coronata f. sp. avenae親和性レースの感染によるエンバク核のin vitro転写活性増高
山本 弘幸谷 利一
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1987 年 53 巻 1 号 p. 21-27

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抄録

エンバク冠さび菌親和性レース夏胞子堆の分化時におけるエンバク葉肉細胞核の変化について調べた。まず,葉肉細胞核の分離方法を検討し,90分以内に約50%の収量で宿主核を得る方法を確立した。分離核のDNA, RNAおよび蛋白含量は測定期間中健・病間に差異はなかった。しかし,3H-UTPの酸不溶部への取込みは夏胞子堆分化初期(接種4および5日後)に健全核の約1.5倍に増高した。同時期の転写活性は,α-アマニチンにより阻害されないことより,質的変化の生じることを示唆した。

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