日本植物病理学会報
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いもち病感染およびUV照射イネ葉における抗菌物質生成
松山 宣明脇本 哲
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1987 年 53 巻 4 号 p. 449-453

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抄録
抗いもち病菌物質S-1 (C20H32O2)とその関連化合物の感染時および物理・化学的障害時における生成程度を主働抵抗性遺伝子Pi-iをもち,圃場抵抗性程度を異にする3品種についてガスクロマトグラフィーで比較した。抗菌物質の生成は,UV照射およびいもち病菌接種葉において認められたが,その生成程度は組織の褐変崩壊程度と密接に相関していた。一方,化学的障害時あるいは褐点を全く生じないような高度抵抗性の場合には全く生成が見られなかった。抗菌物質生成程度と圃場抵抗性程度とは接種7日後では逆の相関がみられたが,これらの物質と抵抗性との関連については,経時的観察などさらに詳細な検討が必要と考えられる。UV照射による障害の程度は若い葉組織(上位葉)で軽く,加齢の進んだ組織(下位葉)で著しかった。また,圃場抵抗性弱品種イナバワセで軽度であった。このことは,圃場抵抗性弱品種では最上葉展開後暫くの期間,生理的により若い状態すなわちより罹病的状態にあることを示しているとも考えられるが,この点についてはさらに検討する予定である。
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