1988 年 54 巻 5 号 p. 640-642
Pseudomonas属植物病原細菌のなかには, Pyricularia oryzae(イネいもち病菌)に対して抗菌性を示すものがあり,とくにPseudomonas avenae(イネ褐条病菌)は平板培地上において顕著な抗菌活性を示した。本菌は各種Pyricularia属菌のほか,その程度はやや弱いもののFusarium oxysporum f.sp. melonisやAtternaria bataticolaに対しても抗菌性を示した。Pseudomonas avenaeの生成する抗いもち病菌物質は, PS培地中で振とう培養することにより多量に生産された。本物質は透析されず, 100C, 10分間の熱処理およびprotease K処理により容易に失活することから,タンパク性の物質と考えられる。本抗菌物質の精製については現在検討中である。