1989 年 55 巻 2 号 p. 238-241
イネ紋枯病菌および数種菌核病菌には細胞壁画分にトレハラーゼが存在した。そしてバリダマイシンA (VM-A)はこれらすべてのトレハラーゼ活性を阻害した。また,VM-Aのトレハラーゼに対する50%活性阻害濃度はそれぞれ3.4×10-6Mから1.8×10-5Mであった。Lineweaver-Burkの逆数プロットよりトレハラーゼに対するVM-Aの阻害形式を調べると拮抗型であった。これらの結果より,イネ数種菌核病菌に対するVM-Aの効果は紋枯病菌の場合と同じくトレハラーゼ活性阻害によるものと考えられる。