抄録
スライドグラス上にキュウリうどんこ病菌を置床してマシン油乳剤を散布したところ,分生胞子周辺に油膜が形成され,油膜の収縮とともに分生胞子が収縮した。蒸留水を加えても変形した分生胞子は元の形態に回復せず,発芽は認められなかった。同様の現象はキュウリ子葉の上でも観察された。接種直後に本剤を散布し走査電顕で観察すると,油膜に覆われて収縮している分生胞子が観察された。接種2日後に散布した場合は菌糸が変形し,接種5日後では分生子柄上の分生胞子が収縮している状態が観察された。これらのことから,本剤のキュウリうどんこ病菌に対する作用は油膜による形態の収縮・変形によるところが大きいものと考えられた。