日本植物病理学会報
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Sordaria菌の各種土壌病害への生物防除資材としての有効性の評価
渡辺 恒雄
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1991 年 57 巻 5 号 p. 680-687

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抄録

主として林木種子汚染糸状菌121菌株の中からナラタケ菌に対して拮抗性を示した3種7菌株のSordaria菌の各種土壌病害への生物防除資材としての有効性を検討した。Pythium aphanidermatumDematophora necatrixの2種の病原菌を対象とし,宿主植物はクロマツ,キュウリ,ホウレンソウ,コマツナを使用した。最初の方法は直径9cmのプラスチックシャーレ内の寒天培地上での病原菌と拮抗菌の対峙培養を覆土し播種して生物防除効果を検討した。また病原菌の単独培養を覆土(対峙培養覆土接種法)して作成した病土中に拮抗菌培養液を直接添加したり,同培養液の浸漬種子を播種して生物防除効果を検討した。バイオトロンと屋外での実験の結果はほぼいずれの試験でもSordaria菌処理は無処理に較べ健全苗率を高め生物防除資材としての有効性が認められた。

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