日本植物病理学会報
Online ISSN : 1882-0484
Print ISSN : 0031-9473
ISSN-L : 0031-9473
ジャガイモ疫病菌の選択分離培地および分離方法の改良
佐藤 章夫加藤 雅康
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 59 巻 5 号 p. 568-571

詳細
抄録

ジャガイモ疫病菌の選択分離培地を改良するために,ライムギAおよびB寒天培地を基本培地として,添加する抗生物質の種類と濃度を検討した。その結果,雑菌やバクテリアを強く抑制し,かつ疫病菌の菌糸伸長の抑制がもっとも少ない簡単な抗生物質の組成として,アンピシリン(200ppm)とナイスタチン(100ppm)の添加が優れていた。また,菌の分離法として,ジャガイモ罹病葉の切片をライムギB選択培地に置床し, 2日後に病斑上に形成した胞子を寒天片で釣り上げ,ライムギA選択培地に移植する方法を採用することにより,分離所要日数を約3日短縮でき,かつ塊茎スライス法とほぼ同等の高い効率で疫病菌を分離できた。

著者関連情報
© 日本植物病理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top