抄録
アカメガシワの幼木の葉に褐色の小斑点を多数形成する新しい細菌病が見いだされた。この病気は6月下旬から10月に発生するが,新梢枯損を起こさない点と成木に発生がみられない点で, E. mallotivoraによる斑点細菌病と異なった。病原細菌は2, 3の性質を除き,比較に用いたXanthomonas campestris pv. campestrisと同じ細菌学的性状を示したが,病原性はアカメガシワに限られた。そこで本細菌をX. campestris pv. malloti pv. nov.と命名し,病名をアカメガシワ褐点細菌病(Bacterial brown spot)と呼称することを提案する。