日本植物病理学会報
Online ISSN : 1882-0484
Print ISSN : 0031-9473
ISSN-L : 0031-9473
ウリ類に発生する3種potyvirusを特異的に検出するための間接ELISAの改良
笹谷 孝英山本 孝〓
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 61 巻 2 号 p. 130-133

詳細
抄録
間接-ELISAを用いてウリ類に発生する3種のpotyvirus(カボチャモザイクウイルス:WMV2,ズッキーニ黄斑モザイクウイルス:ZYMV,パパイア輪点ウイルス-W: PRSV-W)を検出する場合は,3種の抗血清は異種ウイルスにも反応を示す。特にWMV2の抗血清はZYMVに,ZYMVの抗血清はWMV2と強く反応を示し,両ウイルスの識別が困難である。この交差反応をなくすため異種ウイルスで抗血清を吸収することを試みた。そこで,異種ウイルスの純化試料を0.05M炭酸ナトリウム緩衝液(pH 9.6)で処理したもの,あるいは感染葉を0.05M炭酸ナトリウム緩衝液(pH 9.6)で磨砕し,0.02Mトリス緩衝液(pH 7.5)で透析したもので,抗血清を希釈して用いるとこの交差反応は抑えられ,本法によりWMV2, ZYMV, PRSV-Wを特異的に検出することが可能となった。
著者関連情報
© 日本植物病理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top