日本植物病理学会報
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アブラナ科野菜根こぶ病菌菌系の病原力のハクサイ根こぶ病の発生生態および薬剤防除効果に対する影響
田中 秀平吉原 茂昭伊藤 真一亀谷 満朗
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1997 年 63 巻 3 号 p. 183-187

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抄録

根こぶ病感受性ハクサイに程度の異なる病原力を有する根こぶ病菌(Plasmodiophora brassicae Woronin)の3菌系(個体群)を用い,これらの菌系の2, 3の特性を比較するとともに,病原力の違いとハクサイ根こぶ病の発生生態や防除薬剤効果との関係を接種実験により検討した。病原力の強い菌系ほど植物体当りの根毛感染数が多く,罹病根組織における休眠胞子密度も高かった。病原力の強い菌系は冬期の平均日長10時間12分の短日下で低接種胞子密度の場合でさえハクサイを激しく侵した。根こぶ病防除薬剤3種(トリクラミド,フルスルファミド,フルアジナム)の効果はいずれも病原力の弱い菌系に対して高く,強い菌系に対して低かった。菌系の病原力に差があると,根毛感染数と休眠胞子形成密度,発病に及ぼす日長の影響,防除薬剤効果の程度に違いが生じると考えられる。

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