日本植物病理学会報
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キュウリ緑斑モザイクウイルス弱毒株ゲノムの分子的解析
Siang-Hee TAN西口 正通坂本 亘小倉 豊村田 稔宇垣 正志富山 雅光本吉 總男
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1997 年 63 巻 6 号 p. 470-474

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抄録
マスクメロンにほとんど病徴を生じないキュウリ緑斑モザイクウイルス(CGMMV)の弱毒株SH 33bの全ゲノム塩基配列を決定し,親株SHのゲノムの塩基配列と比較した。その結果, 9つの塩基置換が見出され,それらのうち5つはアミノ酸置換を生じるものであり,それらの中に,単独で,または組合せにより, SH 33bの弱毒性に関係するものがあると考えられた。それら5つの塩基置換のうち, 2つは129kDaタンパク質と186kDaタンパク質との共通の領域にアミノ酸置換を生じ,他の2つは186kDaタンパク質のread-through領域において, CGMMV SHを含む数種のトバモウイルス間に高度に保存されている残基の置換に関係するものであった。残りの1つはコートタンパク質遺伝子の領域に見出され,保存性の低い残基でアミノ酸置換を生じるものであることが示された。
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