日本植物病理学会報
Online ISSN : 1882-0484
Print ISSN : 0031-9473
ISSN-L : 0031-9473
Cucumis figareiのキュウリモザイクウイルスに対する全身抵抗性は系統により高温条件で打破される
斎藤 宏昌斎賀 睦幸大木 理尾崎 武司
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 64 巻 3 号 p. 194-197

詳細
抄録

C. figareiのキュウリモザイクウイルス(CMV)に対する全身抵抗性が系統により高温条件で打破されることを明らかにした.pepo系(P)と黄斑系(Y)を高濃度接種(2.0mg/ml)して異なる温度条件で全身感染の有無をみたところ,24°Cでは両系統とも局部感染にとどまったのに対し,36°CではPのみが全身感染して病徴を現した.そこで,ティッシュプリント法とノーザン法によりCMV-RNAの蓄積をみたところ,36°C条件のP接種区では病徴を現した上葉でRNAが検出され,全身感染の成立が確認された.さらに,PとY以外の4系統について調べたところ,SOとMY-17でも高温時に全身感染することが分かった.系統の全身感染性とサブグループとの間には相関は認められなかった.

著者関連情報
© 日本植物病理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top