1998 年 64 巻 5 号 p. 489-493
β-1, 3-グルカナーゼ活性の新しい測定法pNPG4分解法は,従来のDNS法に比べて高い感度と良好な直線性を示した。操作も,DNS法に必要な試薬の調製や加熱処理が不要なため,簡便であった。
半身萎ちょう病菌接種ナスのβ-1, 3-グルカナーゼ活性は,病徴発現の4日前∼1日後にあたる接種14∼19日後に,無接種株の1.5倍以上に上昇した。また,本病自然感染ナスにおいても,病徴発現株の無症葉でβ-1, 3-グルカナーゼ活性の上昇がみられた。これらの結果から,無症葉のβ-1, 3-グルカナーゼ活性をpNPG4分解法により測定することで,半身萎ちょう病を判定できると思われる。
半身萎ちょう病と初期病徴が似ている青枯病においては,β-1, 3-グルカナーゼ活性の増加はみられなかったが,うどんこ病罹病葉では,同酵素の活性がやや上昇した。