日本植物病理学会報
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非放射性標識DNAプローブを用いたカンキツグリーニング病の病原難培養性細菌の検出
Ting-Hsuan HUNGMeng-Ling WUHong-Ji SU
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1999 年 65 巻 2 号 p. 140-146

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抄録

Greening fastidious bacteria (GFB)(一時的にLiberobacterとも呼ばれている)は,カンキツグリーニング病を引き起こす病原体である。本病原細菌は宿主植物の篩部に低密度で存在する。本研究では,感染カンキツよりGFBを高感度で特異的に検出できるDNAプローブをクローニングによって得た。GFBに特異的に反応する0.24kb断片を含むクローンをビオチン化ヌクレオチドを用いたPCR法によって標識し,この標識DNA断片をプローブとしたドットハイブリダイゼーションによって,マンダリン,タンゴル,スイートオレンジ,バメロなどの数種カンキツ植物中のGFBを検出することができた。本プローブはアジア諸国から蒐集したすべての感染植物のGFBと特異的に反応したが,南アフリカから得た植物のGFBとは反応しなかった。本プローブは感染植物中の微量のGFBを検出するために十分な特異性と感度を示し,特にアジア型グリーニング病の検疫に有効利用できる。

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