性格心理学研究
Online ISSN : 2432-695X
Print ISSN : 1345-3629
家族システムと幼児の自己の発達 : 父親の性役割観, 母親からみた父親のソーシャルサポートと母性意識
飯島 婦佐子
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1997 年 6 巻 1 号 p. 50-64

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抄録
本研究の目的は, 父親の性役割観, 母親からみた父親のソーシャルサポート, 母性意識と幼児の自己(自己抑制, 自己主張・実現)の発達の関係をみることである. 東京の304名の両親が参加した. 方法は質問紙法を用いた. 自己尺度は保育者によって評定された. 女子の場合には, 父親が家事・育児に参加するようになり, 性役割分業観も変化していることを反映して, 家事・育児共有観が実質的サポートを高め, それが専業主婦の母親の母性の受容を高めた. しかし, 母性の受容と子どもの自己の発達の間には何らの関係もなかった. ここに, 何らかの媒介変数を考慮する必要がある. 男子の場合には, 父親の家事・育児への参加の考えは母親の母性の受容を低下した. 別のモデルを考えるべきである.
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© 1997 日本パーソナリティ心理学会
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