性格心理学研究
Online ISSN : 2432-695X
Print ISSN : 1345-3629
スポーツにおける"心構え"尺度の開発
有光 興記
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1999 年 7 巻 2 号 p. 77-87

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抄録
本研究は, スポーツを行う前の"心構え"の実態を明らかにするために行われた. 予備調査では, 大学の運動部に所属する選手を対象に, 普段から行っている"心構え"を調査し, その結果より96項目からなるスポーツにおける心構え尺度 (PPIS) を作成した. 研究1では, PPISを大学の運動部員に対して調査し, 因子分析の結果, 積極性, "平常心", "コンディション", "ルール準拠", "気分高揚"の5因子構造からなることを示し, 簡便に回答ができる24項目版のPPIS (BPPIS) を作成した. 研究2では, BPPISの因子的信頼性を確かめ, さらに"心構え"が運動能力により変化するかを明らかにするために行われた. その結果, "気分高揚"が"積極性"因子に負荷することから, BPPISは4因子が妥当であること, "ルール準拠"以外で運動能力の高い選手が有意に高い得点を示した. 研究3では, 運動選手の"心構え"が-般の大学生やサークルに所属している大学生よりも高い評定値を示すのかどうか確かめるために行われた. その結果, いずれの因子でも運動選手の得点は運動選手でない大学生に比べて高く, "心構え"の必要性が示唆された.
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© 1999 日本パーソナリティ心理学会
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