性格心理学研究
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児童の内省による同画探索検査(MFFT)の遂行分析
宮川 充司
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2001 年 9 巻 2 号 p. 87-101

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抄録
児童における熟慮性-衝動性次元の基準検査, 同画探索検査(MFFT)の遂行を, 児童の内省報告から分析した. 研究1では, 児童用改訂同画探索検査を66名の小学校4年生児童に実施し, 実施後内省質問票(課題の困難度・課題遂行の力点・課題遂行の粘り強さ)に記入を求めた. 熟慮的児童と衝動的児童との間に, 内省報告で差がなかった. 研究2では, 5年生となった各23名の熟慮的児童・衝動的児童に, 再構成した同画探索検査を, 前半部正確さ強調教示, 後半部スピード強調教示で実施し, 遂行後に2つの条件について内省質問票に記入を求めた. その結果, 熟慮的児童は正確さ強調教示の方がより成功感があったと報告し, 衝動的児童はスピード強調教示での成功感と正確さ強調教示での成功感を報告した児童とが, ほぼ同数だった.
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© 2001 日本パーソナリティ心理学会
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