性格心理学研究
Online ISSN : 2432-695X
Print ISSN : 1345-3629
ランダム系列生成行動における注意的側面の検討
佐田 吉隆
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2001 年 9 巻 2 号 p. 125-136

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抄録
被験者のランダム系列の生成における注意的側面の影響を検討するために, 2つの実験を行った. ランダム性指標には, Evans (1978)が提案したRNG指標, 板垣(1987)が提案したRIP100, Ginsburg & Goldstein (1987)のCluster Ratio (CR)を用いた. 本研究から得られた結論は, 次のようなものであった. (1)バイアス教示による2種類の心的構えの間には, 種々の指標において, 統計的に有意な差異がみられた. (2)発生個数とステレオタイプな生成(自然数列対頻度)や, 保続反応の間に有意な正の相関がみられた. ランダム生成課題は, 慣用系列や連のような規則-支配行動を完全に抑圧することを要求する, 複雑な行動であると推測される.
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© 2001 日本パーソナリティ心理学会
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