よりよい職場復帰を援助する目的で, 心療内科の診療を行っている12施設の職場復帰困難事例51名について, 復職に影響を及ぼす要因の検討を行い, 次の成積を得た。(1)復職困難事例では, 休職前から職場不適応状態にある例が76.5%と多く, 約半数は配置転換, 昇進などの職場環境の変化が不適応の誘因となっていた。(2)復職を困難にしていた原因としては, 本人の病状や性格など本人側の問題が最も多く, 職場の協力や人間関係, 仕事の質・量の問題が次に多かった。(3)復職困難例が最終的に復職できるか否かは, 治療による病状の回復や本人の復職への意欲・努力の他に, 職場の協力, 健康管理スタッフの協力が重要であることが示唆された。