心身医学
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職場復帰困難事例における復職に影響を及ぼす要因
永田 頌史三島 徳雄石橋 慎一郎宮田 正和小林 伸行金沢 文高窪田 純久上野 俊幸溝部 宏二新田 由規子青木 宏之夏目 高明石川 俊男竹内 香織福井 雄介伊藤 克人野村 忍高柴 哲次郎藤川 英昭藤永 哲朗上畠 茂幸岡田 宏基小笠原 担
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1996 年 36 巻 5 号 p. 425-430

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抄録

よりよい職場復帰を援助する目的で, 心療内科の診療を行っている12施設の職場復帰困難事例51名について, 復職に影響を及ぼす要因の検討を行い, 次の成積を得た。(1)復職困難事例では, 休職前から職場不適応状態にある例が76.5%と多く, 約半数は配置転換, 昇進などの職場環境の変化が不適応の誘因となっていた。(2)復職を困難にしていた原因としては, 本人の病状や性格など本人側の問題が最も多く, 職場の協力や人間関係, 仕事の質・量の問題が次に多かった。(3)復職困難例が最終的に復職できるか否かは, 治療による病状の回復や本人の復職への意欲・努力の他に, 職場の協力, 健康管理スタッフの協力が重要であることが示唆された。

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© 1996 一般社団法人 日本心身医学会
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