緊張型頭痛は生活支障の高い疾患である.本研究では,緊張型頭痛患者においてマインドフルネスの低さが痛みに対する破局的思考を強め,痛みに対する破局的思考が生活支障を高めるモデルを第1仮説として,共分散構造分析により検討した.さらにこのモデルの影響は,反復性緊張型頭痛患者よりも慢性緊張型頭痛患者において大きくなることを第2仮説として,多母集団同時解析により検討した.緊張型頭痛患者112名を対象として複数の医療施設で横断調査を行った.仮説検証の結果,モデルの妥当性が確認され,マインドフルネスの低さが,痛みに対する破局的思考を強め,さらに痛みに対する破局的思考の強さが生活支障を高める仮説モデルが支持された.加えてこの仮説モデルの影響は,反復性緊張型頭痛患者よりも慢性緊張型頭痛患者において大きかった.本研究の結果から,マインドフルネスを高めることが緊張型頭痛患者のマネジメントに有益な可能性がある.
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