抄録
サポーティブセラピーとは, その人の問題解決能力をうまく引き出し, 自分で問題解決ができるよう援助することで, QOLを高めようとする治療法である。ここでは, われわれが行っているがん患者のグループ療法や個人療法でのサポーティブセラピーの実際について述べた。これには(1)信頼関係の構築, (2)問題点の明確化へのサポート, (3)問題解決のためのサポート, がある。また(3)には, がんの代替療法といった情報提供によるサポートや, その人の心理的枠組みを変換することで, 問題を受け入れ可能なものに変える肯定的視点からのサポート, 死や再発の不安への対処法を示した実存的視点からのサポートがある。最後にPILテストを通して, がん患者の「生きがい度」についても述べた。