心身医学
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潰瘍性大腸炎患者の受療行動について
増田 彰則胸元 孝夫古賀 靖之峯 周二黒木 克郎野添 新一
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1998 年 38 巻 5 号 p. 331-337

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抄録

潰瘍性大腸炎の難治化に関与する因子について, 初発時の病気の受けとめ方と再燃症状がみられた時の受療行動について検討した.初発時, 病気についての説明を聞いて, 経過良好例は「ショックだった」が多かったが, 難治例では「心配しなかった」が多かった(p<0.05).下痢や血便などの再燃症状がみられた時, 経過良好例は「すぐに受診する」が多かったのに比べ, 難治例では「しばらく様子をみる」が多かった(p<0.01).この結果から, 難治例は心身相関の気づきに乏しく, 病気に対する認知が未熟で, かつ再燃時の受療行動に遅れがあることがわかった.

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© 1998 一般社団法人 日本心身医学会
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