心身医学
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ストレス多血症と器官選択(心身症における器官選択について)(第39回日本心身医学会総会)
村上 正人松野 俊夫上田 雅夫江花 昭一樫原 英俊田村 政紀小池 一喜桂 戴作堀江 孝至
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1999 年 39 巻 2 号 p. 145-152

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抄録
ストレス多血症は心理社会的ストレス要因で赤血球成分が異常に増加する病態であるが, 血液の粘稠調度の上昇を伴い血流動態に悪影響を及ぼすために, 心血管疾患, 脳血管障害などの健康障害を招く.血液粘稠度より算出した赤血球増加の安全?はHb 16.7g/d/, Ht49.9%, RBC 528万/mm3であり, 予防医学的には重要である.多血症の成因には血液の濃縮よりも血球成分の増加が関与し, しばしば白血球の増加も伴う.多血症群には神経症傾向や抑うつがみられ, 病前柱格では循環気質が有意に強いなどの性格特性がみられる.病態形成にはカテコラミンの関与が考えられ, 多血症患者には造血系に器官選択的に作用することが示唆された.
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© 1999 一般社団法人 日本心身医学会
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