心身医学
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日本人インスリン非依存型糖尿病患者におけるストレス対処行動および心理特性が血糖コントロールに及ぼす影響 : 男女各群間と各群内部での差異に関する検討
深尾 篤嗣北岡 治子佐々木 恵雲馬嶋 素子高松 順太大澤 伸昭
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2000 年 40 巻 6 号 p. 429-437

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抄録

本研究の目的は, インスリン非依存型糖尿病(NIDDM)患者94例を対象に, Body Mass IndexおよびHbA1cで測定される血糖コントロールと, ストレス対処行動, ライフスタイル, 心理特性との関係を調べることである.NIDDM患者のストレス対処行動, タイプA行動パターン, および心理状態は, それぞれthe Ways of Coping Checklist(WCCL), the Jekins Activity Survey(JAS), およびthe General Health Questionnaire(GHQ)を用いて評価した.血糖コントロール不良な患者に比較して血糖コントロール良好な患者では, 問題焦点型対処行動および積極的認知対処行動の頻度が有意に高かった.女性患者では男性患者に比して, 気晴らし食いをする頻度が有意に高く, また血糖コントロール不良な女性患者では肥満度が有意に高かった.血糖コントロール良好な男性患者では情緒焦点型対処行動の頻度が有意にたかった.結論として, NIDDM患者全体において問題焦点型対処行動および積極的認知対処行動が良好な血糖コントロールに関連していること, および女性患者では気晴らし食いが血糖コントロールを増悪させることが示唆された.

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© 2000 一般社団法人 日本心身医学会
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