心身医学
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栄養状態の回復期にカルニチン欠乏および高CPK血症をきたした神経性食欲不振症の1例
岡本 敬司野崎 剛弘小牧 元瀧井 正人河合 啓介松本 芳昭村上 修二久保 千春
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2001 年 41 巻 5 号 p. 369-375

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抄録

栄養状態の回復期にカルニチン欠乏および高CPK血症をきたした神経性食欲不振症を報告した.症例は30歳女性.入院時体重は19.6kg(-57%標準体重).入院時より高度の肝機能障害を認めたが, 栄養状態の改善に伴い入院30日目には正常化した.しかし, そのころよりCPKが上昇しはじめ, 入院時は正常範囲にあった血清カルニチン濃度が正常の半分以下まで低下した.その後, 摂食量の増加にもかかわらず, 血清カルニチン濃度はわずかに上昇したのみで, CPKも漸減しただけであった.そこでカルニチン製剤を投与したところ, CPK, カルニチンともに速やかに正常化した.神経性食欲不振症の栄養状態の回復期におけるCPKの上昇とカルニチンの関連を考察した.

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© 2001 一般社団法人 日本心身医学会
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