抄録
インドネシア在住邦人の生活習慣病とその関連因子について検討した.対象は,外務省の委託による派遣巡回医師団の健康相談に訪れた63名の成人男性在住邦人(平均年齢55.4歳)である.問診とアンケート,および簡易検査により生活習慣病の状態,生活習慣の状況について調査した.国内調査のデータと比較して,肥満,高コレステロール血症,高尿酸血症,飲酒習慣についてはよい結果が,高血圧症と糖尿病については同等の結果が,喫煙習慣と身体活動量については悪い結果が認められた.また,健康に不安を感じている人が48%あつた.海外在住邦人は気候,文化,生活習慣(特に食生活),現地の人たちとの人間関係,劣悪な医療事情など多くのストレスを抱えながら,見かけ上健康状態が保たれているが,環境要因に大きく影響を受けていることが示された.