子どもからみた家族機能を評価するため, 5項目からなる調査票を作成した. そして, 心身症患者199名と健常大学生431名を対象として家族機能に及ぽす家庭環境と養育方法の影響を調査した. 家族機能不良群の割合は, 健常大学生の8%に比べ患者では24%であった. 子どもからみた家族機能を不良にする項目は, 「父から母への暴力」と「親から子への暴力」「親への恐怖心」「両親の離婚または別居, 片親の死亡」「幼小児期の可愛がられ体験がない」と「放任」の6項目であった. そして, これらの項目がない人に比べ, 1項目ある場合は, 家族機能が不良になる相対危険度は約5倍, 2項目ある場合は13倍, 3項目では15倍, 4項目以上ある場合は18倍であった. われわれが作成した家族機能評価法は, 簡単で臨床に応用できると思われる.