心身医学
Online ISSN : 2189-5996
Print ISSN : 0385-0307
ISSN-L : 0385-0307
入院治療における行動制限をどうとらえるか : 内科病棟における摂食障害,せん妄患者の抑制など : パネルディスカッション 心身医学研究・心身医療における医の倫理(2003年 第44回日本心身医学総会 沖縄)
村林 信行
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 44 巻 12 号 p. 891-894

詳細
抄録

入院治療においては, 患者の権利について最大限に配慮する必要がある. 患者の権利を守るためには, 単に医師の善意に頼るばかりでは不十分で, 第三者にもわかるような手続きが必要である. 行動の自由は基本的人権に含まれるもので, 本来他人が制限できないものである. しかし内科病棟では, 患者の生命や安全を守るために一時的に患者の行動を制限せざるをえない場合もある. このようなときに, 患者の権利を守るためにどのような手続きをとる必要があるのか考察する. 行動制限を伴う治療と患者の権利の間にある諸問題 患者の権利に配慮した治療を行ううえでまず問題となるのは, 医師一患者関係である. 近年は, 医師が情報を伝え, 患者自身が治療上の選択や決定をしていく「情報提供モデル」や, 医師が情報を伝え, 患者が最善の価値観を選択できるように支援していく「討議モデル」などが望ましい形として主張されている. すなわち, 実際の現場では, インフォームド、コンセントが重視される.

著者関連情報
© 2004 一般社団法人 日本心身医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top