心身医学
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管理監督者の資源を活かした職場のリスナー研修
三島 徳雄久保田 進也永田 碩史
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2004 年 44 巻 12 号 p. 919-927

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抄録

専門家が高い立場から管理監督者を指導するリスナー研修はニーズに合わなくなりつつある. われわれは, 管理監督者が自ら傾聴の方法を発見する発見的体験学習法を開発した. ここでは背後にある発想を紹介し, 研修効果も報告する. この方法では最初は聴き方を説明しない. グループ練習で, 話し手が長く話すように聴き手が聴き万を工夫することを通して, 聴き方を発見するように促す. その後に参加者の発見を共有する際に指導者が参加者を傾聴する. この方法により某自治体職員を対象にリスナー研修を行い, 研修前, 1ヵ月後, 3ヵ月後に積極的傾聴態度評価尺度で効果を評価した. その結果, 傾聴態度の改善を認め, リスナー研修の有効性が示された. 本稿では, 職場のメンタルヘルス対策の1つとしてわれわれが行ってきた管理監督者を対象とする職場のリスナー研修について, その概要を報告する. これまでわれわれは, 独自に開発した方法を中心としてリスナー研修を進めてきた.

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© 2004 一般社団法人 日本心身医学会
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