2004 年 44 巻 6 号 p. 421-423
近年,中高年男性にも女性と同様の更年期様症状があり,男性更年期として注目されている.泌尿器科領域では,男性ホルモン低下による種々の症状が新たな疾患概念となりつつある.近年の不況,リストラなどで中高年男性の自殺率が急速に上昇し,心療内科分野では,中高年男性のうつ病や不安症などをミドルエイジクライシスとよび,注意を喚起している.さらに,最近では中高年男性の勃起障害治療薬が発売され,勃起不全(ED)が注目され始めた.かかる状況の中で,中高年男性に特徴的な循環器疾患,EDさらにうつや不安症などを包括して診断治療するために男性更年期外来を2001年4月に開設したので,その特徴と経験を報告する.