2005 年 45 巻 11 号 p. 865-871
本研究の目的は, 男子大学生を対象として, 身体活動・運動と不安・抑うつとの関係を検討することであった.大学1年生の男子1,159名を対象に, HADS日本語版, 身体活動評価表, および運動行動の変容段階尺度を使用して, 横断的調査を行った.その結果, 運動・スポーツや日常活動性は, 不安とは関連していなかったが, 抑うつとの間に有意な負の相関関係が確認された.また, 運動行動の変容段階が無関心期の者と, それ以外の変容段階の者との間において, 抑うつ得点に有意な差が認められた.しかし, 抑うつに関する結果は, 1,000名を超すサンプル数に影響されている可能性があり, 抑うつに関する結果の解釈には注意が必要である.