心身医学
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環境と睡眠障害(シンポジウム : 心身機能と睡眠障害,2006年,第47回日本心身医学会総会(東京))
端詰 勝敬菅 重博林 果林佐藤 朝子久松 由華坪井 康次
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キーワード: 環境, 睡眠障害, 入院, 交代勤務
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2007 年 47 巻 9 号 p. 777-783

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抄録

睡眠に関する問題は医療界にとどまらず,社会問題としても大きく取り上げられてきている.不眠の原因は多岐にわたるが,環境の問題によって不眠が生じることも少なくない.今回は,入院環境と労働環境という側面から検討した.身体疾患で入院した患者の61%に何らかの不眠が認められていた.しかし,不眠患者の約50%のケースでは,主治医や患者が不眠を主な問題として取り上げていなかった.また,不眠患者の背景要因の中で「治療関係」の占める割合が高く,支持的対応を必要とする患者が多かった.労働環境と精神衛生についてみると,不安感は日勤者のほうが高く,QOLの阻害も日勤者のほうが高かった.しかし,睡眠に関してみると,交代勤務者に睡眠障害を多く認めた.睡眠障害の評価にあたっては環境要因を重視し,適切な対応を行うことが重要と考えられた.

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© 2007 一般社団法人 日本心身医学会
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