2009 年 49 巻 12 号 p. 1277-1282
1998年11月から約10年間に当院心身症外来を受診した15歳以下の患児558名(男子310名,女子248名,初診時平均年齢8.9±3.7歳)について調査し,開業医が診る小児心身症の現状とその対応について報告した.受診内容は,心身症(60.2%),行動の問題(17.0%),発達の問題(14.0%),不登校(8.8%)の4群に分けられ,全受診者の25.6%は発達障害を伴っていた.心身症の約60%は1年以内に治療を終了できたが,行動や発達の問題,不登校の約30%は治療を中断していた.対応には,子どもへの治療とともに家族への心理的ケアを行い,地域の他の相談機関とネットワークを形成して包括的支援を行うことが効果的であった.