不登校に伴う心身症状 : 考え方と対応(<特集>小児をめぐる心身医学)

抄録

不登校の原因はいくつかの要因が重なりあって発生することが多いが,原因は何であれ実際の不登校は不定愁訴を繰り返し学校に行けなくなることから始まる.不登校の身体症状は起立性調節障害,慢性頭痛,過敏性腸症候群などいわゆる心身症の可能性が高い疾患からの症状が主体で,心身症と不登校は密接な関係にある.また不登校の初期に不定愁訴を訴えている段階で適切な対応をすることは,不登校の長期化を防止できる可能性がある.不登校を単なる怠学と決めつけず,身体症状への対応を適切に行うことが重要である.