心身医学
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線維筋痛症の酸化バランス防御系と抗酸化剤coenzyme Q10の効果(<特集>慢性疼痛の心身医学)
永田 勝太郎島田 雅司長谷川 拓也真木 修一秦 忠世大槻 千佳
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2010 年 50 巻 12 号 p. 1151-1156

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抄録

酸化バランス防御系は,生体調節機構の1つと考えられる.そのゆがみは生活習慣病の発症に関与する.疼痛性疾患である,慢性腰痛,線維筋痛症,関節リウマチ患者について,酸化ストレス(d-ROM test),抗酸化力(BAP test),潜在的抗酸化能(修正BAP/d-ROM比:修正比)をFRAS4(Free Radical Analytical System 4)により,測定した.健常者群に比し,線維筋痛症の酸化ストレス,修正比は悪化していたが,関節リウマチほどではなかった.酸化バランス防御系の是正のため,抗酸化剤である還元型coenzyme Q10を3ヵ月間投与した.その結果,疼痛VASの改善,酸化バランス防御系の改善がみられた.線維筋痛症の診断・治療に酸化バランス防御系の評価は重要であると考えられた.

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© 2010 一般社団法人 日本心身医学会
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