心身医学
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口腔顔面領域の慢性疼痛患者に対する初診時の心理的因子の検討
田中 裕村松 芳幸真島 一郎片桐 敦子藤村 健夫清水 夏恵斉藤 功吉嶺 文俊下条 文武村松 公美子櫻井 浩治瀬尾 憲司染矢 源治
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2010 年 50 巻 12 号 p. 1187-1196

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抄録

口腔顔面領域の慢性疼痛患者に対して初診時に複数の心理テストを施行し,心理的因子についての調査を行った.対象患者は心因関与疼痛群(Pm群)84例,身体的疼痛群(Pp群)111例,およびコントロール群(口腔外科手術時の静脈麻酔管理群;C群)123例の3群に分類し,各種心理テスト(HADs,STAI,SRQ-D,SSAS)を行い,心理的因子を比較検討した.その結果,Pm群,Pp群,ともにC群に対して心理テストは有意に高得点を示し,特にPm群では他の2群に対して有意に高得点を示すとともに,全例で精神医学的診断が確定した.口腔顔面領域の慢性疼痛患者においては,疼痛を主体とする身体症状に対する器質的原因の有無にかかわらず,高い不安・抑うつ傾向がみられたこと,さらにPm群では精神医学的問題が疼痛に関与していると考えられたことから,早期からの心身医学的対応を含めた全人的医療の重要性が示唆された.

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© 2010 一般社団法人 日本心身医学会
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