頭痛は小児においても,最もよくみられる疼痛である.小児の一次性頭痛は,片頭痛と緊張型頭痛がほとんどを占めるが,成人に比べ軽く,医療機関への受診は少ない.しかし,小児にも生活の支障度が高い慢性連日性頭痛がみられ,慢性緊張型頭痛が主体を占める.これら慢性緊張型頭痛をもつ小児は,心理社会的問題を抱える場合が多く,心身医学的な対応が必要となる.頭痛ダイアリーは,頭痛のタイプの診断に役立つのみならず,家庭や学校生活での問題を知るうえで有用である.患児がストレスに気づき,自力で解決へ歩み出すことで,難治性の頭痛が軽快することが多い.学校,家庭などの環境調整をしながら,患児と親をサポートすることが大切である.