2011 年 51 巻 10 号 p. 919-926
集団めまいリハビリテーションとSSRIの併用療法によるQOLの改善内容を明らかにする目的で,入院時のSDS検査におけるスコアが50以上の患者を対象としたレトロスペクティブな検討を行った.めまい治療は,薬物治療としてbetahistine mesilate(メリスロン^[○!R])18mg/日とATP製剤(10%アデホス顆粒^[○!R])3g/日の内服とし,さらに集団めまいリハビリテーション併用加療を施行した.また,うつ状態の治療にはSSRIのfluvoxamine(デプロメール^[○!R])50mg/日を初期投与量として開始,退院後は150mg/日に増量し,4週間後にめまい症状および心理学的症候について評価した.結果:SSRIの併用療法により,各種心理学的評価項目だけでなく,めまい症状に対しても十分な改善が認められた.結論:SSRI(fluvoxamine)はうつ状態を併存する難治性めまい患者に対し有効であり,至適投与量は150mgであった.