心身医学
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医療における心理ゲームの分析と対応(<特集>医療における交流分析)
芦原 睦松田 史帆
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2011 年 51 巻 11 号 p. 1002-1010

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抄録
われわれは日々同じ失敗を繰り返すことがある.われわれはその時いつも同じ不快な感情を感じている.交流分析において,その一連の流れは「ゲーム」と呼ばれる.ゲームの特徴は以下のとおりである.(1)ゲームには隠された動機がある.(2)ゲームは繰り返される.(3)ゲームではAの自我状態が働いていない.(4)ゲームは否定的なストロークの交換の場であり,裏面交流の連続である.(5)ゲームには当惑と混乱を伴う.(6)ゲームは基本的構えの証明として行われる.(7)ゲームの結末には不快感を残す.ゲームの理論は実際臨床に有用である.心療内科における2症例をゲームの観点から解説した.忘れてはならないのは,治療者がゲームをしないことであり,患者のゲームの誘いにのらないことである.結論として,日常生活でよく起こるゲームに気づき,気づいたところでやめることが重要である.
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© 2011 一般社団法人 日本心身医学会
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