心身医学
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自己点検に基づく再帰的健康向上スキーム : 生体情報学の立場から(2010年,第51回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(仙台))
山本 光璋水野 康河村 孝幸藤田 和樹
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2011 年 51 巻 2 号 p. 116-127

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抄録

生体が生理的機能状態にあるときに,その現状の維持・増進(健康向上)を図るには,本人が自分の「生活習慣」を主体的に自己点検・評価し,制御するほかはない.われわれは,この考えに基づいて,生活習慣と"身体的/精神的/社会的"生体機能状態をセルフ・モニターするツールとして,学習機能を有する全人的「元気点検票」を創案した.さらにそのデータを解析し解釈した結果を本人に提示する枠組みを構築した.これにより,生活習慣や機能状態を点検評価する主体が再帰的に生活習慣を制御することにより健康維持・向上を達成することが可能となる.数千人規模の大学生集団への適用によって,このスキームは,健康と生活習慣について自己省察の機会を与えるだけでなく,生活習慣の改善に向けて動機づけられることが実証された.この再帰的スキームを支援するために,点検票データを解析・解釈し,その結果を生活習慣の修正に利用しやすい形で提供する「元気点検票Webシステム」を開発した.

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© 2011 一般社団法人 日本心身医学会
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