抄録
心身症が急増する現代日本の現状を鑑み,1983年,日本小児心身医学会はすべての小児科医が心身医学を習得すべきとの理念を掲げ,日本小児科学会分科会として創立した.その理念のもと,一般医への研修,標準的診療ガイドライン(GL)作成,多施設共同研究を継続している.本稿では代表的な心身症の起立性調節障害(OD)を中心に,頭痛・腹痛GL,不登校診療GLにも触れた.これらのGLは相補的に構成され,心身症を疑えば初期段階からGLを活用する.難治性ODに対しては専門医向けGLを完成した(2012年).難治性ODに至る心身医学的機序には(A)子どもの身体機能,精神発達,性格傾向,(B)家庭生活,(C)学校生活,が複雑に関連している.すべてを評価し効果的な戦略を立てる必要がある.新起立試験による自律神経評価,保護者の受容性促進,学業・学校生活や高校進学へのアドバイスなどの治療アルゴリズムが掲載されており,活用いただきたい.