抄録
慢性痛患者に対しGeneral Health QuestionnaireとHamilton's Rating Scale for Depressionを施行し,精神的健康度と抑うつ症状を調査した.対象患者は視床痛群,帯状疱疹後神経痛(PHN)群,外傷後痛・手術後痛(CRPS)群,脊椎疾患群,線維筋痛症(FMS)群各25名の計125名(男性54名,女性71名,平均年齢58.4±16.0歳)で,原因疾患別に検討した.その結果,慢性痛患者の精神的健康度は低く,抑うつ状態にあり痛みが強いほどその傾向が高いことが示唆された.原因疾患別には,FMS群はすべての結果で有意に高得点であり,CRPS,視床痛,PHN,脊椎疾患群の順に高得点を示した.原因疾患により精神症状に差があることが示唆されたことから,痛みの強さだけでなく原因疾患による影響や,疾患の特徴に適した対応も検討する必要があると考えられる.