抄録
2002年に緩和ケア診療加算が新設され,多くの病院に緩和ケアチームが設立され,専門的な緩和ケアを提供するためのコンサルテーションチームとして活動している.全人的な苦痛の緩和,患者・家族のQOLの改善や地域連携による切れ目のないケアの提供という緩和ケアの目的の達成のためには,身体,精神面にとどまらず,社会的背景やスピリチュアルな問題への配慮も必要である.またコンサルテーションチームとしても,主科担当医,病棟看護師との連携だけでなく,ソーシャルワーカーや,臨床心理士,理学療法士・作業療法士などさまざまな職種との連携が必要となり,その両者において心身医学的な評価法,アプローチが有用である.